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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

伸子たちの橇は、そこでたてよこ五つに岐れる道のたての一本の通りを、斜かいに進んで行った。そこは商店街でなかった。鉄扉は堂々としているがその奥には煤によごれて荒れた大きい五階建の建物の見える前や、せまい歩道に沿って田舎っぽく海老茶色に塗った木造の小家が古びて傾きかかっているところなどをとおった。近代のヨーロッパ風の建物と、旧いロシアの木造小舎とが一つ歩道の上に立ち並んでいて、盛に雪の降っている風景は、伸子に深い印象を与えた。

日本の大使館は、どことなく不揃いで、その不揃いなところに趣のある淋しい通りの右側に、どっしりした門と内庭と馬車まわしとをもって建っていた。伸子たちは、車よせのついた表玄関の手前にある一つの入口から、いきなり二階の事務室の前の廊下へ出た。瀬川の紹介で、伸子たちは、自分たちの姓名、住所をかき、郵便物の保管をたのんだ。参事官である人は外出中で、伸子はその人の友人である文明社の社長から、貰って来た紹介状は出さないまま帰途についた。

ホテルに戻った三人は、そのままどやどやと秋山宇一の室へ入って行った。

「や、おかえんなさい」

「どうでした、おひげさんを見て来ましたか」