Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
ちょっとみると、薄あばたでもあるのかと思うような顔つきで、長い睫毛が、むしろ眼のまわりのうっとうしさとなっている。
宮野というひとは、遠慮ない伸子のききかたを、おとなしくうけて、
「大使館でききましたから」
と返事した。伸子には不審だった。レーニングラードからモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ着いて真直来たと云った人が、大使館で、きいて来たという、前後のいきさつがのみこめなかった。しばらくだまっていて、伸子が、
「――きょうは何曜?」
ゆっくり素子に向って、注目しながらきいた。
「日曜じゃないか!」
わかりきってる、というように答えたとたん、素子はそうきいた伸子の気持をはっきりさとったらしかった。日曜日の大使館は、一般の人に向って閉鎖されているのだった。ふうん、というように、素子はつよく大きくタバコの煙をはいた。
「ずっとレーニングラードですか?」
こんどは素子がききはじめた。レーニングラードはモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)より物価もやすいし、住宅難もすくないから、レーニングラードにいるということだった。同じような理由から、外務省の委托生――将来領事などになるロシア語学生も、何人かレーニングラードにいるということだった。