Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

伸子にとってメーデイの行進は感銘ふかかった。こうしてメーデイにはいそがしいモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)全市が仕事をやめて休み、祝っている。その祭日の気分の深さには、やはり心をうたれるものがあった。メーデイの前日からアルコール類は一切売られなかったから、きょうの祝い日の陽気さはどこまでもしらふだった。そういうところにも一層伸子に同感されるよろこびがあるのだった。

伸子と素子とは、しばらく休んでから埃をかぶった顔を洗い、着ているものをかえた。そしたら、また喉がかわいて来た。素子が、

「お湯わかしといでよ」

と伸子に云った。

「いいさ、メーデイじゃないか」

伸子たちとルイバコフとの間の日頃の約束では、朝晩しかお湯はわかさないことになっていた。

伸子が台所へ行ってみると、さっき入口をあけてくれたニューラの姿が見えない。ルイバコフの細君や子供も出かけてしまったらしく、アパートメントじゅう、ひっそりとしている。伸子は、自分たちの水色ヤカンが、流しの上の棚にのっているのを見つけた。伸子は、ニューラが見えないのに困った。うちのものが誰もいない台所で、勝手なことをするようなのがいやで、伸子は水色ヤカンを眺めながら、半分ひとりごとのように、