Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
廊下をはさんで食堂と向い合いに洋風の客間があって、そこにガスストーブがおかれている。泰造はそれを思いだしてスウィッチをきって、客間の電燈をつけた。そして、内から鍵をかけたその室にガスの栓をあけ放して保が長椅子の上に横になっているのが見つけられた。保は廊下に面した小窓が外からあくのを忘れていたのだった。その夜は母も保も共に泣き、余も思わずもらい泣きをした。こういうことがあったから、東京から行った若いものが多計代に、保さんはこっちへ来ていませんか、ときけば、それで十分母の多計代にとって保の身に何事かあったという暗示になる。そのいきさつの説明として泰造は伸子への手紙に書いているのだった。
なんということだったろう。そんなことがあったのに、長い夏休みじゅう、留守で、がらんとした、男と女中ばかりの動坂の家へ保を一人おいておくなんて。伸子には、そんなうかつさを信じられなかった。三月に、死のうとした保が見つかったとき、母も保も共に泣き、余も思わずもらい泣きをしたと泰造は書いている。それきりで、泰造や多計代が、どんなにして死のうとして失敗した息子の保をなぐさめ、愧しさから救い、生きる方向へはげましたかということについては、書かれていない。