Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
テーブルに背を向けベッドの毛布をはねて、そろそろ寝仕度をはじめている伸子に素子は、
「吉之助もあのくらいはっきり考えて居りゃ、何かになれるかもしれない」
と云った。その声の調子に、思いやりとおちついた期待が響いた。レーニングラードのジプシー料理の店で、クリーム色のスタンドの灯かげといっしょに伸子の気分まで動揺させた、あの、吉之助、なかなかいいね、と云った素子の三十をいくつか越した女の体がそのせつなふっと浮き上ったような切ないニュアンスは消されていた。
あさってはいよいよ吉之助もモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)を立つという晩だった。十二月の十日すぎで街は一面寒い月夜だった。八時すぎに、思いがけず若い女を二人つれた吉之助が伸子たちの部屋を訪ねて来た。
「お邪魔してすまないと思ったんですが、わたしにロシア語ができないんで、どうも……」
吉之助は当惑そうに云って、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の若い女にあんまり見かけない捲毛を器量のいい顔のまわりに垂れた姉妹を、伸子たちに紹介した。
「こちらは姉さんなんだそうです、浪子さん」
その娘は、紫っぽい絹服をつけていて、内気そうに伸子たちと挨拶した。