Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

「こちらが妹さん、さくらさんていうんだそうです。――姉妹で度々楽屋へ訪ねて頂いたんですが……」

妹も新しくないベージュの絹服をきていて、器量は美しいけれども艷のない若い顔に白粉がついていた。胸のひろくあいた古い絹服、睫毛の長い黒い眼にある一種のつやっぽさ。伸子と素子には、娘たちのなりわいが推察された。同じさくらという日本名をもっていても、この娘たちにくらべると光子とその友達のさくらは、まるで別の雰囲気の若い娘たちだった。

一つ長椅子の上に並んでかけた姉妹は伸子たちと、ぽつりぽつりあたりさわりのない話をはじめた。二人ともほんとに内気らしく、二人ともどこにも勤めていない、と答えたりするとき、そんな質問をしたのが気の毒に思えるような調子だった。素子が間に日本語で、

「あなた、このひとたちの家へ行ったことがあるんですか」

と吉之助にきいた。

「ええ、一二度」

そして、

「ひどいところに住んでいるんです。何人も一つ部屋にいて、カーテンで区切って。あんまり気の毒だったから少しおくりものして来ました」

と云った。娘たちの住居はモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)河のむこう岸らしかった。