Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

「そのドアをお使いなすってもかまわないんですが、もし不用心だといけませんから、表から出入りしていただきたいと思います」

翌日、伸子たちはソコーリスキーというその家の表部屋へ移った。アストージェンカの界隈には馴れていたし、シーズンのはじまった芝居の往復にも、そこからは便利だった。ソコーリスキーでは食事つきの契約ができた。もうじき厳冬がはじまるモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)で、毎日正餐をたべに出ないでもすむのはのぞましい条件だった。

「アニュータの料理はわたしたちの自慢です」

耳飾をさげた細君のいうとおり、太ったアニュータのボルシチ(濃いスープ)やカツレツは、パッサージ・ホテルの脂ぎった料理よりはるかにうまかった。伸子たちにとってやや意外だったのは、正餐がソコーリスキーの夫婦といっしょなことだった。白いテーブル・クローズをかけ、デザート用の小サジまでとり揃えたテーブルで。

食後、細君はすぐ子供部屋へひっこんだ。

「われわれのところには、三つになる娘がいるんです。可愛い子です。二三日風邪気味でしてね……もっとも母親に云わせると、娘の健康状態はいつも重大な注意を要するんだそうですが」