Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
「そうかしら」
伸子は、思わず小さく笑った。
「残念なことに、あなたはあんまり権威にみちて見えます」
「それで、部屋は何日間必要なんですか」
素子が話を本筋にひきもどした。
「それは今のところわかりません」
「その間、わたしたちは子供部屋に暮して待っているわけですか」
「わたしは、むしろ、あなたがたが、この際別の部屋を見つけて移られる方が便利だろうと思うんです」
すっかり怒らされた眼つきと声で素子が、
「エート、ニェワズモージュノ(それは不可能です)」
議論の余地なし、というつよい調子で云った。
「モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)に住宅難がないなら、あなたがたがわたしたちの広告に返事をよこすこともなかったでしょう」
伸子の心にもきつい抗議が湧いた。大体すべてこれらのいきさつには、伸子がこの一年の間に経験したソヴェト生活らしい、いいところがなかった。理由は曖昧だし、いやに高圧的だし、伸子の気質としてほかならぬこのモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)で、こういう妙なおしつけがましさに負けていなければならない理由が発見されないのだった。むっとして黙っているうちに、伸子は「クロコディール(鰐)」