Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
ルケアーノフの眼も、細君の眼と同じ暖い鳶色をしている。二つのちがいは、ルケアーノフの眼の方が、細君の眼の明るさにくらべて、いくらかの憂鬱を沈めているだけだった。娘が二人いた。やせて小柄で気取っている上の娘は去年モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)大学を卒業してどこかへ勤めている。下の娘は、来年専門学校へ入るぽってりとした母親似の少女で、母親よりもっと澄んだ鳶色の眼に、同じ色の艷のいい髪をおかっぱにしている。この下の娘が伸子たちの室へ茶を運んで来た。ドアをゆっくり二つノックして、
「いいですか?(モージュノ?)」
どこかまだ子供っぽい声で、ゆっくり声をかけ、ついにっこりする笑顔で茶の盆をさし出した。
ルケアーノフの質素な家庭には、伸子と素子の語学の教師であるマリア・グレゴーリエヴナとその夫でヴ・オ・ク・スに働いているノヴァミルスキー夫妻のクワルティーラにあるような雰囲気があった。みんながそれぞれに自分たちのすべき仕事を熱心にし、乏しくないまでも無駄のゆとりはない暮しぶりだった。夫のノヴァミルスキーと妻のマリア・グレゴーリエヴナが、夫婦とも同じように外気にさらされて赤い頬と、同じようにすこしその先が上向きかげんの鼻をもっているように、ルケアーノフの夫婦と二人の娘たちは、みんな鳶色の眼とゆっくりしたロシア