Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

どこにも悪気はないのだけれども、大きい顔の上に、やたらに小さい目鼻だちをもった人とむかいあっているような、居工合のわるさがその部屋を特色づけている。

素子がこういう部屋を見つけたことについて伸子は、ちっとも知らなかった。パッサージ・ホテルにいた素子は、ひとりで広告して、一人できめて、正餐つき一ヵ月の部屋代をさき払いした。

「ぶこちゃん、失敗しちゃった」

と、素子がノヴォデビーチェの部屋について話したのは、伸子をびっくりさせようとして、素子がノヴォデビーチェの室へ一晩とまって見た翌日の正餐のときのことだった。

「前払いなんかしなけりゃよかった。――すまないけれど、ぶこちゃんあっちで暫く暮してくれよ。入れかわって――いやかい?」

パッサージの室を素子はその日の夕方までで解約してしまっているのだった。

紙のおおいのかかったパッサージの食堂のテーブルに素子とさし向いにかけ、アルミニュームのサジで乾杏や梅を砂糖煮にしたものをたべながら、伸子は、答えのかわりに、べそをかいた顔をつくった。

「だって、そこは淋しいっていうのに――」

「ぶこなら大丈夫だよ」

「どうして?」

「わたしみたいに一日そんなところへとじこもっていなくたっていいんだもの。