Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
トゥウェルスカヤの大通りをストラスナーヤ広場まで真直のぼって行った伸子は、広場をつっきって、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)夕刊新聞社の建物とは反対側の薬屋の横を入った。そして、正面入口の破風の漆喰に波にたわむれる人魚の絵がかいてある建物の三階へあがっていった。この建物にはエレベーターがあったらしいが、いまは外囲いの網戸だけがのこっている。伸子がベルを押したドアがすぐあいて、黒スカートに、少し色のさめた水色のスウェターを着た三十五六の婦人が顔を出した。この家で、このひとに、伸子はロシア語の初歩を習いはじめているのであった。
艷のない栗色の髪を、ロシア風に頭の真中でわけ、こめかみのところに細い髪房にしてたらしているマリア・グレゴーリエヴナを、はじめ紹介してくれたのはВОКСであった。ノヴァミルスキーが伸子の相談に応じて、彼のおどろくべき最低音の声で推薦したのがここであった。
約束の第一日、伸子は貰った所書と地図をたよりにこの建物をさがし当てて来た。マリア・グレゴーリエヴナの小皺の多い丸顔には、善良さと熱心さとがあらわれていて、伸子は気が楽になった。