Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
と、伸子には、それが同じ女の生きてゆく一生だと思えないほどのちがいがあった。ミス・ジョーンズの上等な制服につつまれた体は背高くやせて、棒のようだった。彼女に求められているのは規律正しい行きとどいた勤務であった。それが彼女の職業なのだから。彼女の結婚だの姙娠だのという人間の女に関することは、勤務とは別の、患者のかかわりしらない、彼女だけの問題――プライヴェート・アフェアだった。ミス・ジョーンズの大切にしている婚約指環が灰色の小さな袋にはいってエプロンの下にかくされていたとおりに。文明国では、身もち看護婦の勤務などということは途轍もない笑話以外にあり得ないことだった。
ナターシャは、彼女がうけている社会の条件について、価値を知りつくしていない。そう伸子は思った。ナターシャにはどこにも過渡期の影がない。ナターシャはきっすいのソヴェト娘として育ち、生きている。ヒールのない運動靴のようなものをはいて、いくつも薬袋をのせた盆をもってドアの外を通ってゆくナターシャを伸子は枕の上から見ていた。
その日の午後おそく、やがて面会時間がきれようとするころ、伸子は思いがけない人に訪問された。