Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

保がああして死んで、伸子は何が多計代にうちあけられたろう。伸子には保の死について多計代の責任を感じる和解しがたい思いがある。それは、保が亡くなってからの伸子の生きてゆく意識に作用している。伸子は保であるまいとしているのだった。人生に対して。母というものに対して。どうして、それやこれやのことが、手紙のようなものに書けよう。議論される余地のあることではなかったのだから。伸子にとってそれは自分の生そのものなのだから……

思い沈んでだまっていた伸子に、藤原威夫は、彼もその間に彼自身の考えの筋を辿っていたらしく、しかしなんですな、と云った。あなたのお母さんはさすが井村先生の令嬢だけあって、皇室に対しては今どきめずらしい純粋な気持をもっておられるですね。お話をうかがって敬服しました。

藤原威夫のその軍人らしい賞讚の言葉を、伸子はぼんやりと実感なくきいていた。母が、皇室に対して純粋な気持をもっている――それは何だかまるで生活からはなれていて伸子の感情にない問題だった。自分の感情の中に合わせるピントがないという意味で、伸子は母と藤原威夫という軍人とはっきり別な自分を感じるのだった。