Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
何でもあるかわり、売る方も買う方も、実力のかけひきだった。アホートヌイ・リャードにどよめいている群集の中には、労働者風の男女は殆どみかけられないのに伸子は気づいた。そして子供づれも。――雪のつもった長方形の広場のむこうには、道のはたへとび出したような位置に古い教会がのこっていて、わきの大きい建物に張りわたされている赤いプラカートの上には、くっきりと白く、文盲を撲滅せよ、とよまれた。そういう広場の雪をよごしながら群集が動いた。
伸子が、ながい街あるきの果に、自分たちの夜食のための刻みキャベジやイクラを買いに入る店は、ホテルからじきのところにあった。半地下室のその店の入口の段々のところからタイルではった床の上まで、オガ屑がまかれていた。濡れたオガ屑の匂い、漬もの桶の匂い、どっさり棚につまれた燻製から立つ匂い。それらがみんな交りあって、店の中には渋すっぱくて、懐しいような匂いがこめている。――伸子がやがて外套に冬の匂いをつけ、頬の色も眼のつやも活々とした様子で、ホテルへかえって来るのだった。
素子は、大抵、伸子が出がけに見たとおりデスクの前にいた。入ってゆく伸子をみて、素子は椅子の上でふりむき、