Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

伸子は未来をそっくり未来のまま欲しているのだった。

三月の雪どけがはじまって、冬じゅう静かな雪あかりにみたされていた伸子の病室の壁にも、雪どけでどこかにできた水たまりから反射するキラキラした光りがおどるようになった。そういう一日、伸子はショールをかぶり、毛布に包まれ、運搬車にのせられて、病室からはなれた構内にある外科へ診察をうけに運ばれた。ワーレンキ(長防寒靴)をはいたナターシャが看護服の上から外套を着、プラトークをかぶってついて来た。

適当な温度にあたためられたひろい手術室で、伸子は着ているものをすっかりぬがされた。そして、手術台の上によこたえられた。マスクをつけていず、手袋をはめていないというだけで、すっかり手術者のなりをした三人の医者が、つやのいい体を裸でころがされ、きまりのわるさと厳粛さとまじりあった表情で口をむすんでいる手術台の上の伸子をかこんだ。そして、だまって診察しはじめた。内科の医者がやるとおり、肝臓の上を押したり、それを痛がって伸子が顔をしかめると、

「――痛む(ボーリノ)」

と仲間同士でつぶやいたりしながら。いくたびも同じ調べかたをしてから、三人のうちの一番年長で髭の剃りあとの鮮やかな医者が、