Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

素子は、二人で芝居を観に出かける夜の時間をのぞいて、毎日の規則正しい勉強の計画をこしらえた。マリア・グレゴーリエヴナのところでプーシュキンを読むほかに、素子は一人の女教師に来て貰って、発音と文法だけの勉強もはじめた。

言語学を専攻したというその女教師が、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)河のむこうからホテルへ教えに来るのは、芝居に行かない月曜日の、正餐後の時刻であった。

その晩、教師が来たとき、伸子は、その前のときのように、素子が勉強するデスクから一番遠い壁ぎわに角テーブルをひっぱって行って、そこで、例の「黄金の水」の書きとりをやっていた。緑色笠のスタンドの光を棗形の顔にうけて、素子は、伸子にわからない慣用語や語源の質問をした。それが終り、発音の練習がはじまった。これは、ひとりで伸子の耳にわかり、時々興味をひかれた。ベルリッツの萌黄の本で一から百・千・万と数をおそわったとき、たとえば五はピャーチとかかれていて、素子はそれをその字のように発音した。だから伸子も、のばしてピャーチと云うものだと思っていた。しかし、それが十とくっついて、五十というときはあとの方に力点がついて、五はまるでペチというように響いた。