Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
おどろいて笑いながら、つづけて咳きをした。そこは零下三十五度だった。雪が珍しいというのではなく、こんなに雪の降る、このモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の生活が、伸子の予感をかきたてるのであった。
食事も終りかかったころ、瀬川雅夫が、
「さて、あなたがたのきょうのスケジュールはどういう風です?」
と、伸子たちにきいた。
「別にこれってきめてはいないんですがね」
きな粉色のスーツが黒い髪によく似合っている素子が答えた。
「大使館へでも一寸顔だしして来ようかと思っているんだけど。――手紙類を、大使館気づけで受けとるようにして来たから……」
秋山宇一は、黙ったままそれをききながら小柄な体で、重ね合わせている脚をゆすった。
「じゃ、こうなさい」
席から立ちかけながら、瀬川が云った。
「もう三十分もすると、どうせ私も出かけてВОКСへ行かなけりゃならない用がありますから、御案内しましょう。ВОКСは、いずれ行かなければならないところでしょうから」
「それがいいですよ。ВОКСを訪ねることは重要ですよ」
濃くて長い眉の下に、不釣合に小さい二つの眼をしばたたきながら、我からうなずくようにして秋山宇一が云った。