Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
小枝は、ちょっと居場所のないような身のこなしをしたが、
「おかあさま、お召をそろえましょうか」
つとめて、話題をかえるように云った。
「どれをだしましょう」
「そうねえ、夕方までは、どうせどこへも出ないんだから何でもいいけれど。――あの裏葉色の裾模様はどこに入れたっけ」
「さあ。――船で召さなかった新しい方のでしょう?」
小枝はこまったように、
「大トランクの方だったように思いますけれど――見ましょう」
大トランクというのは、控間の方に置いてある鋲うちの入れものの方だった。
伸子は、小枝について控間に出て行った。そして、正直に自分でトランクの鍵をあけようとする小枝をとめて、大きい声で、
「和一郎さん、ちょっと来て」
とよんだ。
「鍵がうまくまわらない」
和一郎が来て、トランクの鍵はもとよりすぐあいた。伸子は、多計代にきこえない小声で和一郎に云った。
「あなたまで不機嫌にしていちゃ、小枝ちゃんはどうしていいかわかりゃしないことよ。――出かけなさい。ひきうけるから。――いい?」
和一郎は、
「うん」
と云った。
「夕方ちょっとかえっていらっしゃいね。そして、おかあさまたちを送り出してから、みんなで夕飯に出かけましょう」