Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
この七月十四日、パリ祭の日にソヴェト同盟と中国との国境が封鎖された。十七日には、正式に国交断絶した。そして、十八日、ハルビンに戒厳令がしかれた。
佐々の親たちとつや子とが、ホテル・アンテルナシオナールから、ブルヴァール・ペレールのアパルトマンに引越すのが十六日で、伸子は、引越しに必要なシーツだのテーブル・クローズなどを買うために、いそがしく百貨店を歩いた。十九日に通い女中が来るまで、伸子はペレールの家へかよって、台所をうけもった。スープをとる深鍋でたく御飯は、水のひきがわるくてぐちゃついたが、それを泰造までおいしがった。
「ほんとにここへ来てよかった。あなた、伸ちゃんがあと片づけしてしまったら、ボア・ド・ブーローニュへでも行ってみようじゃありませんか」
内輪の者ばかりでいる夏の夕方らしく、台所まで、あけはなされたドア越しに、客間でそういっている多計代の声がする。
「よかろう、行きましょう」
伸子は、ここに住居をきめたことはやはり成功だったと思った。ここならアパルトマンの表口にさえ立っていれば、ブルヴァールを通るタクシーをいつでも、誰にでも、つや子にだってとめることができるのだった。