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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

わたしじゃないのよ。おまけに、お金のことじゃありませんか。わたしが何を知っているとおっしゃるのかしら」

「そりゃそうだけれどね。わたしには、だれも、和一郎がこんど越したホテルを知らしてくれないじゃないか……」

そう云われて、伸子は自分もそれを知らされていないことに気がついた。

「そう云えば、誰も知らないんじゃないのかしら」

もし多計代の健康に何事かおこったりしたら、と伸子はそんな場合の責任の感じからあわてた。

「お父様は、おききになった?」

「手帖に書いてあるはずだ。モンソー公園の近くなはずだった」

「御存じなら、そう早く云って下さればいいのに」

考えてみれば、このパリで、みんなは何とばらばらに暮しているだろう。伸子たちの生活ぶりにいくらかでも関心をもってヴォージラールのホテルへも来てみたのは、泰造だけであった。パリへ来てからやがて一月たつのに、和一郎も小枝も、そんな気はないらしかった。和一郎たちの生活は、心持の上でも伸子と別なところにあるのに、多計代は、どんなよりどころでそう思うのか、伸子と和一郎たちがしめし合わせて、でもいるような口ぶりだった。

「とにかく、こんやは、御迷惑だろうが伸ちゃんにもすっかり思っていることを話してもらって、わたしにも云うことだけは云わせてもらおうじゃないか」