Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
五
「へェ――私も薄々そんな気がいたして居りました。誰でしょう、一体、私を狙う者は?」
「多勢あるよ、急にはこの下手人は挙がるまい」
「へェ」
「ところで御主人、一度あることは二度だ。曲者はいずれ、もう一度仕掛けて来るだろう。相手の出ようを見るためにも、お滝は側へ置いちゃ危いが――」
「へェ」
岩太郎の返事はひどく不平そうでした。それは金で買った人間は、どう処分してもよかった時代の旦那衆の自負です。
「兎も角、あの祝言ごっこだけは暫く止すがよい。曲者は取りのぼせているから、何時また御主人の命を狙わないものでもあるまい――暫くはあの娘を唯の奉公人にして置く方が無事だろうよ」
平次はとうとうこう言い切ってしまいました。自分ながら変な論理ですが、兎も角も暫くの間は、あの娘を無垢のままにして置いて、返すべきところへ返すのが、平次の良心の務めのような気がしたのです。
五
手代の才六は縁側にウロウロして居りましたが、主人が奥へ入ると、あわてて平次に挨拶しました。狐のような感じの男です。
「お前はお滝へ大そう眼をかけて居たというじゃないか」
「飛んでも無い親分、近所ですから、チョイチョイ口もききましたが」