Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「お組は?」

「あれは、雷鳴を好きでは無かったにしてもお園ほどは怖がらなかったようで」

「すると、若旦那は、あの二人の女と手を切って居たのか」

「いえ、改めて手を切るとなると、又一騒ぎですから、別にそう言ったわけではありません」

蛇の半殺しで、愚図々々に二人女から遠ざかって良い子になろうという金之助の態度に潔癖な平次は、一寸胸を悪くしました。

三

遊びくたびれた若旦那の金之助は、二人の年増女に遠ざかって、あの新鮮で清潔で、馥郁たる魅力の持主――お夏に興味を持っていることは事実で、二人の師匠が、鞘当筋で喧嘩をしたとしたら、金之助にとって、それはまことに、迷惑千万なことだったに違いありません。

平次は平野屋を切上げて、店口から出ようとして、何心なく振り返りました。店暖簾がパラリと動いて、あわてて姿を隠した女――それはお夏が心配して、二人の話を聴いていたのでしょう。白い額と紅い唇だけが、平次の眼に美しい残像として残ります。

次は、同じ金沢町の浪人、阿星右太五郎の家へ――と思いましたが、フト八五郎のことが気になって、もう一度お台所町に引返して、お組の家を覗いて見る気になりました。