Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
平次は自分へ言い聴かせるように、こう言い切るのでした。
「私の言うことに間違いはありません、ね、親分、もう一度行ってみて下さいな」
若旦那金之助は重荷をおろした心持でひどくはしゃぐのです。
「いや、そんな事に見落しがあるものか――一応は見て置いたが、いずれ乾くまでには間があるだろう。もう一度誰かに見せて置くとしようよ。ところで――その時、裏の縁側の方に何んにも見えなかったのかな」
「あわてて居たんで、何んにも見ませんよ。でも、庇のあたりに、チラリとしたものを見たような気もしますが――」
それはしかし、はなはだ頼りない証拠です。取込み忘れた干物かも知れず、雨に驚いて飛込んだ、小鳥だったかも知れないのです。
「ところで、若旦那は、お園とお組と、二人の師匠にチヤホヤされて居たということだが――」
「面目次第もございません」
「今でも何んか、あの二人に引っ掛りがあったのかな」
「私はもう、あんな女達に掛り合うのを懲々して居りました」
「それが、どうしてお園のところへ寄る気になったのだ」
「雨宿りで、場所の選り嫌いは言って居られませんでした。それに、お園は恐ろしく雷鳴が嫌いだったので、フト覗いてやろうという気になったのです」