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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme

Aozora Bunko

六十

どうしようと云う話もきまらずに、そこに二人は暫く立話をしていたが、するうちが段々移っていった。

浜屋が湯からあがった時分には、お島の姿はもう家のどの部屋にも見られなかった。

町を離れて、山の方へお島は一人でふらふら登って行った。山はどこも彼処も咽かえるような若葉が鬱蒼としていた。痩せた菜花の咲いているところがあったり、赭土の多い禿山の蔭に、瀬戸物を焼いている竈の煙が、ほのぼのと立昇っていたりした。お島は静かなその山のなかへ、ぐんぐん入っていった。誰の目にも触れたくはなかった。どこか人迹のたえたところで、思うさま泣いてみたいと思った。

六十

山の方へ入って行くお島の姿を見たという人のあるのを頼りに、方々捜しあるいた末に、或松山へ登って行った浜屋と父親との目に、猟師に追詰められた兎か何ぞのように、山裾の谿川の岸の草原に跪坐んでいる、彼女の姿の発見されたのは、それから大分たってからであった。

赤い山躑躅などの咲いた、その崖の下には、迅い水の瀬が、ごろごろ転がっている石や岩に砕けて、水沫を散しながら流れていた。危い丸木橋が両側の巌鼻に架渡されてあった。お島はどこか自分の死を想像させるような場所を覗いてみたいような、悪戯な誘惑に唆られて、そこへ降りて行ったのであったが、流れの音や、四下の静さが、次第に牾しいような