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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme

Aozora Bunko

七十八

そしてそれを何にするの」

「高尚な翫具を拵えて、一儲けしようってんですがね……この小いのが水雷艇です」

「へえ、妙なことを考えたんだね。戦争あて込みなんだね」

「まあそうですね。これが当ると、お上さんにもうんと資本を貸しますよ。どうせ私は金の要らない男ですからね」

「はは」と、お島は笑いだした。

「可かったね」

「こればかりじゃないんです」職人はこの頃夜もろくろく眠らずに凝り考えた、色々の考案が頭脳のなかに渦のように描かれていた。新しい仕事の興味が、彼の小さい心臓をわくわくさせていた。

「私ゃ子供の時分から、こんな事が好きだったんですから、この外にまだ幾箇も考えてるんですが、その中には一つ二つ成功するのが急度ありますよ」

「じゃ木村さんは発明家になろうというんだわね。発明家ってどんな豪い人かと思っていたら、木村さんのような人でもやれるような事なら、有難くもないね」

「笑談言っちゃ可けませんよ」

「まあ発明もいいけれど、仕事の方もやって下さいね、どしどし仕事を出しますからね」

七十八

お島たちが、寄つく処もなくなって、一人は職人として、一人は註文取として、夫婦で築地の方の或洋服店へ住込むことになったのは、二人が半歳ばかり滞っていた小野田の故郷に近いN――と云う可也繁華な都会から帰ってからであった。