Japanische Klassiker mit Furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme
八十七
小野田は心から厭そうにお島にそれを言出されると、苦笑しながら慍然として言った。
「間男の子でも何でも、あんな御父さんなんかに肖ない方が可いんですよ」
「ひどいことを言うなよ。あれでも己を産んでくれた親だ」
小野田は終に怒りだした。
「お前さんはそれでも感心だよ。あんな親でも大事にする気があるから。私なら親とも思やしない」
八十七
そんな気持の嵩じて来たお島には、自分一人がどんなに焦燥しても、出世する運が全く小野田にはないようにさえ考えられてきた。彼の顔が無下に卑しく貧相に見えだして来た。ビーヤホールの女などと、面白そうにふざけていることの出来る男の品性が、陋しく浅猿しいもののように思えた。
「己はまた親の悪口なぞ云う女は大嫌いだ」
顔色を変えて、お島の側を離れると、小野田は黙って仕事に取りかかろうとして、電気を引張って行ってミシンを踏みはじめた。
そのミシンは、支払うべき金がなかったために、お島が機転を利かして、機械の工合がわるいと言って、新しく取替えたばかりの代物であった。そうすれば試用の間、一時また支払いが猶予される訳であった。
「こんな際どいことでもしなかった日には、私たちはとてもやって行けやしません。