Japanische Klassiker mit Furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme
「お一人でお寂しゅうございますでしょう」
浴後の軽い疲をおぼえて、うっとりしているところへ、女がそう言いながら膳部を運んで来た。
笑い声などを立てたことのない、この二日ばかりの旅が、物悲しげに思いかえされた。どこの部屋からか蓄音器が高調子に聞えていた。
電話室へ入って、東京の自宅の様子を聞くことのできたのは、それから大分たってからであった。小野田はまだ帰っていなかった。
「好いところだよ。旦那の留守に、お前さんも一日遊びに来たらいいだろう」
お島は四五日の逗留に、金を少し取寄せる必要を感じていたので、その事を、留守を頼んでおいた若い職人に頼んでから、そう言って誘った。
「それから順吉もつれて来て頂戴よ。あの子には散々苦労をさせて来たから、一日ゆっくり遊ばしてやりましょうよ」
お島はそうも言って頼んだ。
その晩は、水の音などが耳について、能くも睡られなかった。
夜があけると、東京から人の来るのが待たれた。そして怠屈な半日をいらいらして暮しているうちに、旋て昼を大分過ぎてから二人は女中に案内されて、お島の着替えや水菓子の入った籠などをさげて、どやどやと入って来た。