Japanische Klassiker mit Furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme
二十五
茶畑などの続いている生家の住居の周囲の垣根のあたりは、一層静かであった。
お島が入っていった時分には、もう衆は弓張提灯などをともして、一同引揚げていったあとであった。お島は両親の前へ出ると、急に胸苦しくなって、昨夜から張詰めていた心が一時に弛ぶようであった。
「御心配をかけて、どうも済みません」お島はそう言ってお叩頭をしようとしたが、筋肉が硬張ったようで首も下らなかった。
「何て莫迦なまねをしてくれたんだ」父親はお島に口を開かせず、いきなり熱り立って来たが、養家の財産のために、何事にも目をつぶろうとして来たらしい父親の心が、やっとお島にも見えすいて来た。
二十五
お島が数度の交渉の後、到頭また養家へ帰ることになって、青柳につれられて家を出たのは、或日の晩方であった。
お島はそれまでに、幾度となく父親や母親に逆って、彼等を怒らせたり悲しませたり、絶望させたりした。滅多に手荒なことをしたことのなかった父親をして、終にお島の頭髪を掴んで、彼女をそこに捻伏せて打のめすような憤怒を激発せしめた。お島を懲しておかなければならぬような報告が、この数日のあいだに養家から交渉に来た二三の顔利きの口から、父親の耳へも入っていた。