Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme
お島の体は、単衣もののこの頃では、夕方の涼みに表へ出るのも極のわるいほど、月が重っていた。
旅から帰って来た鶴さんは、落着いて店で帳合をするような日とては、幾んど一日もなかった。偶に家にいても、朝から二階へあがって、枕などを取出して、横になっているような事が多かった。機嫌のいい時には、これまで口にしたこともなかった、猥らな端唄の文句などを低声で謡って、一人で燥いでいた。
「おお厭だ、誰にそんなものを教わって来ました」お島はぼつぼつ支度にかかっていた赤子の着物の片などを弄りながら、傍で擽ったいような笑方をした。
「面白くでもない。北海道の女のお自惚なんぞ言って」
「どうして、そんなんじゃない」と云いそうな顔をして、鶴さんは物珍しげに、形のできた小さい襦袢などを眺めていた。
「ちょいと、貴方はどんな子が産れると思います」お島は始終気にかかっている事を、鶴さんにも訊いてみた。
「どうせ私には肖ていまい。そう思っていれあ確かだ」鶴さんは鼻で笑いながら、後向になった。
「どうせそうでしょうよ、これは私のお土産ですもの」お島は不快な気持に顔を赧めた。「でも笑談にもそういわれると、厭なものね。