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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme

Aozora Bunko

四

けれど養父母はお島に詳しいことを話さなかった。

「貧乏くさい商売だね」お島は自分の稚い時分から居ずわりになっている男に声かけた。その男は楮の煮らるる釜の下の火を見ながら、跪坐んで莨を喫っていた。

顎髯の伸びた蒼白い顔は、明い春先になると、一層貧相らしくみえた。

「お前さんの紙漉も久しいもんだね」

「駄目だよ。旦那が気がないから」作と云うその男は俛いたまま答えた。「もう楮のなかから小判の出て来る気遣もないからね」

「真実だ」お島は鼻頭で笑った。

四

お島は幼い時分この作という男に、よく学校の送迎などをして貰ったものだが、養父の甥に当る彼は、長いあいだ製紙の職工として、多くの女工と共に働かされたのみならず、野良仕事や養蚕にも始終苦使われて来た。そうして気の強い主婦からはがみがみ言われ、お島からは豕か何ぞのように忌嫌われた。絶え間のない労働に堪えかねて、彼はどうかすると気分が悪いといって、少し遅くまで寝ているようなことがあると、主婦のおとらは直に気荒く罵った。

「おいおい、この忙しいのに寝ている奴があるかよ。旧を考えてみろ」

おとらは作の隠れて寝ている物置のような汚いその部屋を覗込みながら毎時ものお定例を言って呶鳴った。