Japanische Klassiker mit Furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme
四十四
お島は自暴に言いすてて、仕事の方へ帰って来たが、目が涙に曇っていた。せかせか出て行った今のおゆうの姿や、おゆうを待受けている鶴さんの、この頃の生活に荒みきった神経質な顔などが、目について来た。
暫く経って、帰って来たおゆうの顔には、鶴さんのためなら、何でも為かねないような浮いた大胆さと不安が見えていた。
おゆうの部屋を出て行く姉の手には、小袖を四五枚入れたほどの、ぼっとりした包みが提げられた。
四十四
堅い口留をして、ふとそれ等の事をお鈴に洩したお島は、それを又お鈴から聞いて、宛然姦通の手証でも押えたように騒ぎたてる、隠居の病的な苛責からおゆうを庇護うことに骨がおれた。
宵の口に、お島にすかし宥められて、一度眠りについた隠居は、衆がこれから寝床につこうとしている時分に、目がさめて来ると、広々した蚊帳のなかに起き坐って、さも退屈な夜の長さに倦み果てたように、四下を見回していた。
宵に母親に警め責められた房吉は、隠居がじりじりして業を煮せば煮すほど、その事には冷淡であった。遊人などを近けていた母親の過去を見せられて来た房吉の目には、彼女の苦しみが、滑稽にも莫迦々々しくも見えた。