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Japanische Klassiker mit Furigana

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こじきものがたり

古事記物語

鈴木 三重吉

Lesen Sie 古事記物語 (こじきものがたり) von 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.723 Zeichen · 191 Bildschirme

Aozora Bunko

とおっしゃいました。しかしそれでも無理にお歩きになって、能褒野という野へお着きになりました。

命は、その野の中でつくづくと、おうちのことをお思いになり、

あの青山にとりかこまれた、

美しい大和が恋しい。

しかし、ああ私は、

その恋しい土地へも、

帰りつくことはできない。

命あるものは、

これからがいせんして、

あの平群の山の、

くまがしの葉を、

髪に飾って祝い楽しめよ。

という意味をお歌いになり、

はしけやし、

わぎへの方よ、

雲いたち来も。

(おおなつかしや、

わが家のある、

はるかな大和の方から、

雲が出て来るよ。)

と、お歌いになりました。

そして、それといっしょにご病勢もどっとご危篤になってきました。

命は、ついに、

おとめの、

床のべに、

わがおきし、

剣の太刀。

その太刀はや。

と、あの美夜受媛のおうちにおいていらしった宝剣も、とうとう再び手にとることもできないかとお歌いになり、そのお歌の終わるのとともに、この世をお去りになりました。

早うまのお使いは、このことを天皇に申しあげにかけつけました。

大和からは、命のお妃やお子さまたちが、びっくりしてくだっておいでになりました。