Japanische Klassiker mit Furigana
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こじきものがたり
古事記物語
鈴木 三重吉
Lesen Sie 古事記物語 (こじきものがたり) von 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.723 Zeichen · 191 Bildschirme
天皇は、この美しい矢河枝媛を、後にお妃にお召しになりました。このお妃から、宇治若郎子とおっしゃる皇子がお生まれになりました。
天皇には、すべてで、皇子が十一人、皇女が十五人おありになりました。
その中で、天皇は、矢河枝媛のお生み申した若郎子皇子を、いちばんかわいくおぼしめしていらっしゃいました。
あるとき天皇は、その若郎子皇子とはそれぞれお腹ちがいのお兄上でいらっしゃる大山守命と大雀命のお二人をお召しになって、
「おまえたちは、子供は兄と弟とどちらがかわいいものと思うか」とお聞きになりました。
大山守命は、
「それはだれでも兄のほうをかわいくおもいます」と、ぞうさもなくお答えになりました。
しかしお年下の大雀命は、お父上がこんなお問いをおかけになるのは、わたしたち二人をおいて、弟の若郎子にお位をお譲りになりたいというおぼしめしに相違ないと、ちゃんと、天皇のお心持をおさとりになりました。それでそのおぼしめしに添うように、
「私は弟のほうがかわいいだろうと思います。兄のほうは、もはや成人しておりますので、何の心配もございませんが、弟となりますと、まだ子供でございますから、かわいそうでございます」