Japanische Klassiker mit Furigana
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こじきものがたり
古事記物語
鈴木 三重吉
Lesen Sie 古事記物語 (こじきものがたり) von 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.723 Zeichen · 191 Bildschirme
たとえばお宮が破れこわれても、お手もとにはそれをおつくろいになるご費用もおありになりませんでした。しかし天皇はそれでも寸分もおいといにならないで、雨がひどく降るたんびには、おへやの中へおけをひき入れて、ざあざあと漏り入る雨もれをお受けになり、ご自分自身はしずくのおちないところをお見つけになって、御座所を移し移ししておしのぎになりました。
それから三年の後に、再び山にのぼってご覧になりますと、こんどはせんとはすっかりうって変わって、お目の及ぶ限り、どの村々にも煙がいっぱい、勢いよく立ちのぼっておりました。天皇はそれをご覧になって、みなの者も、もうすっかりゆたかになったとおっしゃって、ようやくご安心なさいました。そして、そこではじめて租税や夫役をおおせつけになりました。
すると人民は、もう十分にたくわえもできていましたので、お納物をするにも、使い働きにあがるのにも、それこそ楽々とご用を承ることができました。
天皇はしもじもに対して、これほどまでに思いやりの深い方でいらっしゃいました。ですから後の代からも永くお慕い申しあげてそのご一代を聖帝の御代とお呼び申しております。