Japanische Klassiker mit Furigana
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こじきものがたり
古事記物語
鈴木 三重吉
Lesen Sie 古事記物語 (こじきものがたり) von 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.723 Zeichen · 191 Bildschirme
すると天皇は、
「そちはなんという老婆だ。どういうことでまいったのか」とおたずねになりました。赤猪子は、
「私は、いついつの年のこれこれの月に、これこれこういうおおせをこうむりましたものでございます。こんにちまでお召しをお待ち申してとうとう何十年という年を過ごしました。もはやこんな老婆になりましたので、もとよりご奉公には堪えられませんが、ただ私がどこまでもおおせを守っておりましたことだけを申しあげたいと存じましてわざわざおうかがいいたしました」と申しあげました。天皇はそれをお聞きになって、びっくりなさいました。
「私はそのことは、もうとっくに忘れてしまっていた。これはこれはすまないことをした。かわいそうに」とおっしゃって、二つのお歌をお歌いになり、それでもって、赤猪子のどこまでも正直な心根をおほめになり、ご自分のために、とうとう一生お嫁にも行かないで過ごしたことをしみじみおあわれみになりました。赤猪子は、そのお歌を聞いて、たまりかねて泣きだしました。その涙で、赤色にすりそめた着物の袖がじとじとにぬれました。そして泣き泣き歌って、
「ああああ、これから先はだれにすがって生きて行こう。