Japanische Klassiker mit Furigana
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こじきものがたり
古事記物語
鈴木 三重吉
Lesen Sie 古事記物語 (こじきものがたり) von 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.723 Zeichen · 191 Bildschirme
「ああ、おかしやおかしや、お宮の屋根がゆがんでしまった」と歌いだし、そのあとの歌のむすびを王にさし向けました。王は、すぐにそれをお受けになって、
「それは大工がへただからゆがんだのだ」とお歌いになりました。すると志毘は重ねて、
「いや、どんなに王があせられても、わしがゆいめぐらした、八重のしばがきの中へははいれまい。大魚とわしとの仲をじゃますることはできまい」と歌いかけました。王はすかさず、
「潮の流れの上の、波の荒いところにしびが泳いでいる。しびのそばにはしびの妻がついている。ばかなしびよ」とお歌いになりました。
そうすると志毘はむっと怒って、
「王のゆったしばがきなぞは、いかに堅固にゆいまわしてあろうとも、おれがたちまち切り破って見せる。焼き払って見せてやる」と歌いました。王はどこまでも負けないで、
「あはは、しびよ。そちは魚だ。いかにいばっても、そちを突きに来る海人にはかなうまい。そんなにこわいものがいては悲しかろう」とお歌いになりました。
王は、そんなにして、とうとう夜があけるまで歌い争っておひきあげになりました。そして、お宮へお帰りになるとすぐに、お兄上の意富祁王とご相談なさいました。