Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
……」
船頭がお角の面を見つめたままでこう言いかけた時に、お角は颶風のように身を起して、
「だから、どうしようと言うの、だから、わたしをどうかしようと言うの」
お角の船頭を睨んだ眼もまたものすごいものでありました。それでも船頭はやっぱりお角を睨み返しながら、
「いや、お前さんをどうしようというわけじゃあございません、お前さんの量見に聞いてみてえんでございます」
「エ、わたしの量見ですって? わたしの量見を聞いてどうするの」
「この船の中で、女のお客はお前さんだけなんですね、今まで女一人のお客というのはなかったこの船に、今日に限ってお前さんが乗り込むとこの通りの暴風だ」
「それがどうしたの、それじゃあ、わたしが一人でこの暴風を起しでもしたように聞えるじゃないか」
「お前さんが暴風を起したんじゃないけれど、お前さんがいるために暴風が起ったようなものだ」
「何ですと、わたしが暴風を起したんじゃないけれど、わたしがいるために暴風が起ったようなものですって? 同じことじゃないか、それじゃあ、やっぱり、わたし一人がこの暴風を起したということになるんじゃないか、ばかばかしいにも程があったものさ」