Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

そこでお松は兵馬を別間へ案内して、それから一別以来のことを洩れなく語って、泣いたり笑ったりするような水入らずの話に打解けることができたのは、全く夢にみるような嬉しさでありました。

こうして二人は無事を喜び合った後に、さしあたって、兵馬の思案に余るお君の身の上のことに話が廻って行くのは自然の筋道です。

甲府における駒井能登守の失脚をよく知っているお松には、一層、お君の身が心配でたまりませんでした。なんにしてもそれが無事で、この近いところへ来て、兵馬に保護されているということは、死んだ姉妹が甦った知らせを聞くのと同じような心持であります。

そうして二人が思案を凝らすまでもなく、今のお君の身の上を、当家の老女にお頼みするのが何よりも策の得たものと考えついたのは、二人一緒でした。

兵馬は、ようやくに重荷を卸した思いをしました。お松の話を聞いてみれば、若い女を預けて、少しも心置きのないのは実にこの老女である。求めて探しても斯様な親船は無かろうのに、偶然それを発見し得たことの仕合せを、兵馬は雀躍して欣ばないわけにはゆきません。

その夜は南条と共にこの家に枕を並べて寝ね、翌朝早々に兵馬は王子へ帰りました。