Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
「それは何しろよかった」
「鈴木様の御次男様、いや辰一郎様でございましたね。なんでございますか、あの徽典館は昨夜の火事で、屋根へ飛火があってお家が大層いたんでおいでなさるそうでございますが、それでも今晩、学問がおありなさるのでございますか」
「大した損処もないから、今晩も集まるつもりだ」
「それは結構でございます、お若いうちは御勉強をなさらなくてはなりません、私共みたようになっては追付きませんからな。ただいま何を御勉強でございます、論語でございますか、孟子でいらっしゃいますか、子曰わく君子は器ならずというんでございましょう、子曰わくは結構でございますね、十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わずとありましたな、あなた様はちょうどその志学のお年頃でございましょう、ところが私なんぞは三十にして立たず、四十にして腰が抜けというところなんでございます、どうもいけません。しかし辰一郎様、人間は学問ばかりしたからといってそれでいいというわけではありませんね、青表紙をたくさん読んで、活字引になってみたところで一向つまりませんな、活字引はまだいいけれども、腐れ儒者となった日には手もつけられません、学問は実地に活用しなければつまらねえんでございます。