Japanische Klassiker mit Furigana
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あるたんぼうきしゃのはなし
平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕
平林 初之輔
Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme
「それよりも」と弓田警部は言葉をつづけた。「ほんとうの犯人をさがさなくちゃなりません。といっても、今のところ手がかりは指紋だけです。はやく指紋の結果をきいて捜査方針を定めなければなりません。あのおやじをやっつけたやり口を見ると、とうてい右手のない人間のしわざとは思われんばかりでなく、初犯の奴のしわざとも思われません。指紋をしらべるのが第一です。それに、犯人が最後にあのおやじにいった捨てゼリフも聞きずてにならんと思いますね。ああいう大胆な泥棒は、きっといったとおりを実行するもんです。ことによると、本署の軒下なんかで悠々とねているかも知れません。我々をおどろかして痛快がるためにね」
「君の考えはどうも小説的でこまるな、いくら口ではいっても、泥棒が、仕事をした晩に警察でとまるなんてことがあるかい」と署長は笑いながらいった。
「しかし、とにかくぐずぐずしてはおられません。もう夜があけてからだいぶになります。誰か……」といって甲刑事を呼ぼうとすると甲刑事の姿がどうしたのかどこにも見えません。
「母屋の方じゃないでしょうか」といいながら、一人の刑事が母屋の方へ走っていったが、すぐ帰ってきて「母屋にもいないようです」