Japanische Klassiker mit Furigana
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あるたんぼうきしゃのはなし
平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕
平林 初之輔
Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme
僕は白状するが、こんな嘘っぱちを言って、この女を苦しめねばならぬ自分の職業を恥じた。しかし、職業に忠実であるためにはそうするより外はなかったのである。そして、僕の話の効果はすばらしいものだった。
「みんなわたしのあやまちでした」と、とうとう彼女は僕が待ちもうけていた告白をはじめた。
「でも博士は悪んでも悪んでも悪み足りない人です。わたし、すっかり申し上げますから、どうぞ新聞に書くことだけは許して下さい。夫はすっかり妾を信じているんですから、もし新聞などに出されちゃ、わたし生きておれなくなるんです。
わたしはすっかり博士にだまされたのです。麻酔剤をかがされて、わたしの知らないまに博士に……。それからというもの、博士はわたしの咽喉首へ爪をたてて、わたしを脅迫しどおしでした。わたしはどんなことがあっても、これを夫に知らせたくなかったものですから、博士から要求をきかねば公表するとおどされて、つい、その後も何回か博士の餌食になっていたのでございました。わたし今でも、わたし一人ならどんな罰でもうける覚悟ですけれど、ただ夫の名誉と自尊心とを傷つけたくないばかりに、この生きながらの地獄のような屈辱をしのんで参りましたのです。