Japanische Klassiker mit Furigana
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あるたんぼうきしゃのはなし
平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕
平林 初之輔
Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme
何でもひどく打ったり蹴ったりしているらしく、奥さんは泣いておられました。明日別の女がはいってくるので、この奥さんを追い出そうとしている様子でした。私は、これまでもあったことなので、あの大泥棒の色魔の餌食になっておられる、この奥さんがかわいそうで、じっとして聞いておれなくなったものですから、ちょっと口をきこうと思って出かけて行ったのです」
「それからどうしました」
「実にあきれた奴です。この奥さんを指さして、こいつは女中にやとったので、もう不用になったから出て行けといっているのだと空嘯いているのです。奥さんが婚姻証書のことを言い出すと、そんなものにはおぼえがないと言ってるのです。きっと、すぐに焼き捨てたに相違ありません。必要な間は、婚姻証書を楯にとって女を手放さないでおいて、用がなくなるとそんなものにはおぼえがないと言ってるのです。これまでだって同じてで多勢の女をいじめたに相違ないのです。でも、私がその場にがんばっているので、とうとう奴は捨台辞をのこして出てゆきました。それから、私もちょっと玄関口で奥さんを慰めておいて帰ってきました。あんな奴は、殺された方が社会のためですよ」