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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるたんぼうきしゃのはなし

平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕

平林 初之輔

Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme

Aozora Bunko

四

とたずねてみた。

「まだ年齢は四十前のようでしたが、あごから頬まで一面に見事な髭をのばしている人でした」

私はこれだけ聞くと、院長に丁寧にお礼を述べて、瀬越医院を去った。

四

私はその足で、院長から聞いた玉村の家へ行ってみた。

ところが、そのあたりには玉村という姓の家は一軒もなく、その家らしいのに、貸家の札が貼ってあった。

近所でたずねてみると、玉村という人はつい半月ばかり前にひっこしてきて、一週間たつかたたないうちに、またどっかへ引っ越して行ったということであった。

「その家で、近頃不幸があったと聞きましたがほんとうでしょうか?」と私は、私にその話をしてくれた、一軒おいて隣の京染屋のお内儀さんにきいてみた。

「妾はよく知りませんけれど、何でも、引っ越しの前の日にお葬式の自動車が来て、死人を焼場へつれて行ったとかいう話でした。でも別にお通夜のあった様子もなかったし、お経を読む声も聞こえませんでしたわ。そして、その次の日のおひる頃にすぐお引っ越しになったのです。ずいぶん変った人でしたわ」

「どこへ越して行ったかわかりませんか?」

と私はたずねてみたが、もちろん彼女は知っていなかった。