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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるたんぼうきしゃのはなし

平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕

平林 初之輔

Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme

Aozora Bunko

私も、彼が何か暴行を加えるつもりだろうと思ったので、反射的に起ち上がったが、彼が起ち上がったのは、あまりにひどい驚きのためで、決して暴行を加える意志ではないことがすぐにわかった。

「悪かった、君、僕が悪かった。堪忍してくれ給え」

こう言いながら彼は私の前にとつぜん跪いたので、今度は私の方があっけにとられたくらいだった。壮士というような人間の心の単純さに私はじっさい吃驚したのだった。

彼はすっかり私に話してくれた。それによると、彼は、労働者仲間に人気のある私が××党から立候補すると聞いて、大変だと思い、私を死んだことにしておけば、後ではどうせいたずらだということがわかるにしても一時立候補の手続きがおくれるからその間に、自党の候補が機先を制して猛運動をつづけてゆけば、私の地盤がくつがえせると思って、あんなたちの悪い狂言を仕組んだのだということであった。

「君の一存でやったのか、党の幹部も知っているのか?」と私は興味をそそられてきいてみた。

「むろん僕の一存でやった仕事で、誰も外には関係者はありません。もっとも成功すれば報酬を貰うことにはなっているんですがね」