Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
石碑が立って居る、土の盛り方や石の色では昨年頃誰かを葬った者でも有ろうか、屋敷の中に墓の有るのも不思議、誰も住んで居ぬ空屋敷へ新墓の出来るも不思議、余は益々異様に思い、口の中で、思わずも「怪美人」と呟いた、実に怪美人だ、此の美人の身に就いての事は皆な「怪」だ言葉も振舞も着物も飾り物も、爾して妙に此の屋敷の秘密を知って居る事も地図などを持って居る事も、一の怪ならざるは無しだ、頓て美人は新墓の前に跪づいて、拝み初めたが、何だか非常に口惜しいと云う様子が見え、次には憫みを帯び来って両眼に涙を湛えるかと思われた、懐かしい情人の墓か、嫉ましい恋の敵の墓か、何しろ余ほど深く心を動かす様な事柄が有ると見える、余は美人の拝み終るを待ち兼ねて「誰の墓ですか」と云ってズウズウしく降りて行き、石碑の文字を読んだが、少し驚いた。「輪田夏子之墓」と有る。「明治二十九年七月十一日死、享年廿二歳」と左右に記して有る、輪田夏子とは誰、読者は前回の記事を記憶して居るだろう、此の家の主婦輪田お紺の養女で、お紺を殺し終身刑に処せられて牢の中で死んだ殺人者だ、養母殺しの罪人だ、成るほど考えて見ると其のお夏の死骸を、弁護士権田時介と云う