Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
者と見做されて了うのだ。
実に辛い、残念だ、自分の死ぬるを厭わぬとしても、後で秀子が何の様な目に遭うだろうか。余の外に保護者とてはなく、叔父は有ってもなきが如しだ、少しも真逆の時の役には立たぬ。事に寄ると今既に秀子は肝腎の時に余が不在と為ったのを心細く思って居るかも知れぬ。
お浦が紛失して未だ幾日も経たぬのに、又も余が消滅したのならば、世間の人が幽霊塔を何の様に言うだろう。叔父も住み兼ねて他へ引き移るかも知れぬ。
併し空しく考えたとて詮ない訳だ、何とかして逃げ出さねば成らぬ。命の残って居る限りは逃げ出す道も求めねば成らぬ、併し此の暗やみで室の中の様子さえ分らぬでは道を求める由もないのだ。何時まで暗い訳ではなく、五六時間も経てば自ら夜は明ける、とは云え昼間では益々逃げ出すに都合が悪い。扨は明日の晩まで此の室に居ねば成らぬのか知らん。
如何にも癪に障る訳だ、夜の明けるまで寝るとしても埃の一寸も溜って居る室の中に身を横たえる訳に行かず、室の何所かに寝台でも有れば好いのに、爾だ、手探りに探って見よう、探って少しでも能く室の様子を知り、縦し身を横たえる