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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆうれいとう

幽霊塔

黒岩 涙香

Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme

Aozora Bunko

ことは、ホンに羨ましいと云っても宜い。余は寧っそ白痴に生まれたなら、苦痛を苦痛とも感ぜぬだけ却って仕合せで有ったかも知れぬが、今更それ愚痴に過ぎない。

斯う旨々と眠て居る者を、起すのも罪だから其のまま余は煖炉の前にかえり燃える火を眺めて居たが、余ほど身体が疲れたと見え、椅子に凭ったまま居眠った。幾時の後にか目が覚めて見ると煖炉が全く消えて、室の中は昨夜の様な暗闇と為り、寒さは宛かも背中から水を浴びせられる様だ。暁方まで何うして凌ごうかと思って居るうち、何所からか此の暗闇の室へ散らりと燈光が射した。熟く見ると、庭に向った方の窓の戸の隙から洩れて来るのだ、最う何時か知らぬけれど此の夜更に誰が何の為に庭へ出て居るだろうと窓の所へ行き、鉄の棒に顔を当て戸の隙の最も大きい所から窺いて見るとズッと向うの樹の下に燈りを持って居るのは婆で、其の燈光をたよりに彼の医学士が鍬を以って大きな穴を掘って居る。

是だ、是だ、穴を掘って死骸を埋めるとは、此の事だ、ハテな今夜は誰を埋めるのだろう、考える迄もない。余を埋める積りなのだ。医学士の言葉では余が空腹の為疲れる