Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
第六十七回 前科者
森「ハイそれは買おうにも売りませんから盗む外はないのです」余「では婦人が其の草を盗んで来て」森「イイエ、真逆に自分で盗みも仕ますまいが、アノ夫人はアノ家の小僧に窃かに小使銭を与えて居ます」余「爾としても叔父を毒害したのが秀子だと云う証拠には成りますまい」森「勿論之は証拠ではないのです。唯グラニルの出所をお話し申したのです」余「では何を証拠に秀子を疑いますか」森「生憎其のグラニルの液を入れた小さい瓶が、秀子さんの室から出たのです」
第六十七回 前科者
毒薬の瓶が秀子の室に隠して有ったとは実に意外な事柄である、流石の余も弁解する事は出来ぬ。
併し余は必死となり「けれど森さん、世に疑獄と云い探偵の過ちと云う事は随分有る例です。是こそは動かぬ証拠と裁判官まで認めた証拠が豈図らんや全くの間違いで有ったなどと云う話は、聞いた事がお有りでしょう」森「左様です、其の様な事柄は貴方より私が能く知って居ます」余「夫だのに貴方は唯毒薬の瓶一個で、既に秀子を疑いますか」森「唯瓶一つではなく、今まで申す通り様々の事情が総て秀子を指して居るのです」