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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆうれいとう

幽霊塔

黒岩 涙香

Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme

Aozora Bunko

第八十回 千貫の重み

余は迫き立てる様に先生を呼び「ですが先生、第一号が輪田夏子だという証拠は何所に在ります。唯貴方の許へ其の様に名乗って来たというに過ぎぬのでしょう、偶然に名乗った姓名が殺人女と暗号したか、或いは自分の本姓本名を秘する為に殊更に世に知られた殺人女の名を用いたのか其の点は貴方に分りますまい」

第八十回 千貫の重み

第二号の顔形と第一号の顔形とは如何にも先生の謂う通り同人である、是だけは最早言い争う余地がない、けれど其の第一号が果たして殺人女輪田夏子だと云う事は何の証拠もない。

まさかに松谷秀子が其の殺人女だとは受け取れぬ、何の様な証拠が有るにもせよ、争われるだけは争い、疑われるだけは疑って見ねば成らぬ。

とは云え、今までの事を能く考え合わせて見ると先生の言葉には千貫の重みが有る、余が言葉は殆ど何の根拠とする所もない。

余は幽霊塔に入って後、幾度も塔の村の人々から輪田夏子の容貌などを聞いた事が有る、丸い顔で眉が長くて顎に笑靨が有ったなどと、全く第一号の顔形と符合して居る、しかのみならず夏子はお紺婆を殺したとき、左の手の肉を骨に達するまで噛み取られたと云う