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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆうれいとう

幽霊塔

黒岩 涙香

Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme

Aozora Bunko

事か更に取り留めた思案は出ぬ、秀子が人殺しと脱獄の罪を犯した恐ろしい女で有る事も確かで、復讐の為幽霊塔へ入り込んで既に余の叔父を毒害せんと試みた事も確かである、是だけの所から云えば探偵森主水に次第を告げ秀子を捕縛させる一方である、併し又他の方面から考えれば秀子と余との間は夫婦約束の成り立って居る事も事実、秀子が愈々捕縛せらるれば余と叔父との丸部一家に拭う可からざる不名誉を来たすのも事実である。

縦し不名誉にもせよ罪人を保護する訳には行かぬ、まして叔父の命を狙い、恐ろしい毒草を隠して居る罪人を、若し保護するに於いては全く人間の道を逆行する者である、と斯う迄は幾度も思い定めるけれど余の心中には猶一点の未練が有る、自分で掻き消すにも掻き消されぬ、勿論斯う成った以上は秀子を余が妻にする訳には行かぬ、けれど何だか可哀相でも有る、茲の思案が決せぬ間は家に帰って叔父に逢う訳にも行かぬ、秀子に逢う訳には猶更行かぬ、余は倫敦へ着いた者の其の後は何うして宜いか暫しがほど躊躇したが、漸くに思い定めたのは、兎に角に権田時介に逢って見ようとの一念である。